2019-01-01から1年間の記事一覧

一年の振り返り

年末なので手短に一年間の振り返りをします。 会社の仕事はぼちぼちでした。夏までは色々あって当初想定していたほどプロジェクトに貢献できなくて苦労しましたが、それ以降はOSSコミュニティ活動がはじまったので自分の持ち味を最大限に活用できるようにな…

30分で論文流し読みシリーズ 8「Multi-hypervisor Virtual Machines: Enabling an Ecosystem of Hypervisor-level Services」

https://www.usenix.org/system/files/conference/atc17/atc17-gopalan.pdf 実際の所要時間 二時間 課題 IaaSでは(仮想)ハードウェアを含め多種多様なサービスを組み合わせて使えるようになっているが、VMMレベルのサービスはそうではなく、通常はベンダ提供…

べつにQiita使ってもいいんじゃないの

Qiitaは悪く言われがちです。よく聞く理由は次のようなものです。 記事の品質が低い 低品質なものが検索上位に来るので邪魔 これらからのコピペばっかでプログラミングしてるやつらが嫌い これらはごもっともだなあと思う反面、そこから一歩先に進んで「Qiit…

30分で論文流し読みシリーズ 7「File Systems Unfit as Distributed Storage Backends: Lessons from 10 Years of Ceph Evolution」

SOSP 2019で発表される予定の論文。品川先生のブログで見かけたので読んでみた。 utshina.hatenablog.jp https://www.pdl.cmu.edu/PDL-FTP/Storage/ceph-exp-sosp19.pdf 実際の所要時間 30分。土地勘がある分野なのではじめて30分で読めたぞ! 前提知識 Ceph…

ポイントカードとか電子マネーがめんどくさい

世の中にはポイントカードや電子マネーが大量にありますけどわたしは前者はスマホアプリを使うものを含め数個だけ、後者はモバイルSUICAだけを使っています。なんでそうしてるんだっけと整理したくなったのでつらつらと書きます。初めに断っておくと別に他の…

コードの写経中にやってること

ソフトウェアのプログラミングの文脈でソースコードの写経と呼ばれるものがあります。簡単に言うとソースコードの読み書き技術の上達のために既存のソースコードを手元で入力する作業です。最近ではgithubなどでOSSが大量に公開されているのでいくらでもでき…

iOS上のssh/moshアプリ、BlinkでC-mショートカットが効かない問題が解消

以下の問題はiOS 13.1.1では解消していました。 satoru-takeuchi.hatenablog.com 13betaで治ったという報告があったのでたぶん行けるだろうと思ってましたが、いけました。やったぜ github.com

30分で論文流し読みシリーズ6「Gleaner: Mitigating the Blocked-Waiter Wakeup Problem for Virtualized Multicore Applications」

https://www.usenix.org/system/files/conference/atc14/atc14-paper-ding.pdf 実際の所要時間: 1時間 課題 - VMにおいて頻繁にvCPUがidleになるワークロードのnative環境に比べての性能劣化が激しい - 理由はvCPUがアイドルになる処理、およびその後再びidl…

「イベント無線LAN完全自壊マニュアル vol. 1」を読んだ

大規模イベントにおいて参加者に提供する無線LANサービスを構築するノウハウについて書いた本です。著者のえぬかねさんに献本いただいたときは「この全く知見が無い分野の本をいただいたが理解できるだろうか」と心配していましたが、案の定専門的なところは…

「OS Girls 2」を読んだ

技術書典7において販売されていた本の読書感想文です。BOOTHで電子版を販売中です。 hikalium.booth.pm 「OS GIrls」の続編です。前作の読書感想文はこちら。 satoru-takeuchi.hatenablog.com わりと真面目な感想文は前回書いているし今回も同様の感想なので…

「OpenCVデバッグ探偵記」を読んだ

技術書典7で著者の@tomoaki_teshimaさんに献本いただいた本です。 本書はOpenCVを題材にバグを見つけてからデバッグ、そのあとOpenCVのupstreamに還元するための技術について解説してくれています。このデバッグをする流れを筆者は探偵による調査に見立てて…

30分で論文流し読みシリーズ5「Replication Under Scalable Hashing: A Family of Algorithms for Scalable Decentralized Data Distribution」

Replication Under Scalable Hashing: A Family of Algorithms for Scalable Decentralized Data Distribution ↓の参考として挙げられているもの satoru-takeuchi.hatenablog.com 実際の所要時間: 1時間半 課題 分散ストレージにおいてオブジェクトの配置情…

30分で論文流し読みシリーズ4「CRUSH: Controlled, Scalable, Decentralized Placement of Replicated Data」

CRUSH: Controlled, Scalable, Decentralized Placement of Replicated Data 実際の所要時間 1時間半 課題 オブジェクトストレージにおいて、どのストレージデバイスにどのようにデータをを配置するかには様々な方法がある 既存のものは巨大なメタデータ(お…

30分で論文流し読みシリーズ3: 「vScale: Automatic and Efficient Processor Scaling for SMP Virtual Machines」

vScale: Automatic and Efficient Processor Scaling for SMP Virtual Machines 実際の所要時間 一時間半 課題 vCPU数 > pCPU数のときにvCPUがスケジュールされないことによってロック待ちやI/O完了待ちが長くなってアプリの性能がすごく落ちることがある VM…

プリンタ買いました

10年ぶりくらいにプリンタ買いました。紙で印刷することなんてそんなにないし、あってもコンビニでネットプリント使えばトータルコストでは安いと思ったので、あえて持たないようにしてました。 ところが実際は印刷が必要になる機会は頻度は確かにそれほど高…

SNSとの接点を減らした その3

↓の続き satoru-takeuchi.hatenablog.com 次は書き込み内容を改善してみようかと。ダジャレをメインにしてたまに真面目な技術の話とかをして、意識高めな警句のようなものとか皮肉とか愚痴っぽいのは減らしていこうかなと。後半部分はつい書いてしまった後に…

SNSとの接点を減らした その2

↓の続き satoru-takeuchi.hatenablog.com その後の進捗。 いろいろ考えた結果、2つの対策を打ちました。1つはスマホからSNSのアプリを消して、かつ、ブラウザからもIDとパスワードの情報を消すことです。これによってアクセスが面倒になったので、とくにスマ…

「歴史系倉庫 世界史の問題児(クズ)たち」と「まんが 偉人たちの科学講義 - 天才科学者も人の子」を読んだ

歴史上のクズとか科学者を数人ピックアップして、それぞれを4コマ漫画のかたまりとして紹介している本です。歴史的事実を踏まえながら、伝えられている人物像を膨らませておもしろおかしく見せてくれています。 歴史にも科学にも興味が持てなかったという人…

バルセロナいいとこ

数日前まで仕事で一週間くらいバルセロナに行ってきました。(当たり前だが)ほとんどイベント会場に入り浸りだったのですが、合間を縫って色々観光してきました。本記事はその自慢です。 グエル公園 ガウディ設計の公園。極彩色なのに美しく、下品でもない。…

「トルコのもう一つの顔」を読んだ

著者が長年に渡ってトルコを旅してそこにある言語について調査した履歴を書いた本です。大変面白かったです。国家、民族、宗教、言語、およびそれぞれがごちゃごちゃに入り混じった様子について興味があるひとは気にいると思います。

「レイリ」を見た

日本の戦国時代に生きた剣の達人である少女レイリについて書いたフィクションです(昨日出た6巻で完結)。派手さはないのですが、きっちり設定が作りこまれていて、かつ、短く綺麗に完結しているという点で非常に良かったです。原作者は寄生獣などで知られる岩…

フルリモートワーカーの日常

今所属している会社で勤続一年となりました。会社は東京の日本橋にありますけども私はそこから500kmほど離れたところでフルリモート勤務してます。技術書や記事を書くという複業もしています。最近ようやく生活パターンが固まってきたこともあって、こういう…

「死刑囚の記録」を読んだ

精神科医である筆者が死刑囚について書いた本です。といってもよくある彼らの人となりや犯罪そのものについては重要視されていません。収監されてから裁判を経て、死刑が確定して、やがて刑を執行されるまでにどのような精神的な変化があらわれるのかが記さ…

「OSGirls」を読んだ

技術書典6において販売されていた本書を買いました(BOOTHで電子版を販売中)。 booth.pm 結城浩さんの「数学ガール」をもじったタイトルで、中身もそれっぽくなっています。ただしコンテンツはOS。これだけ見ると出オチ感満載ですが、中身もしっかりしていま…

技術書典6で技術同人誌を販売します

4/14の技術書典6において「う 28 windhole」名義でLinuxカーネルを中心とした技術系同人誌を6冊販売いたします。 techbookfest.org 目玉商品は新刊の「Linuxのプロセススケジューラ バージョン0.01から5.0まで」です。これはLinuxカーネルのプロセススケジュ…

「コーヒーが廻り世界史が廻る」を読んだ

最初のほうがコーヒーがどこから始まったのかという伝説や昔話から始まり、そこからどのような経緯で世界に広がっていったのかを扱った本です。序盤から中盤にかけては世界史の中でコーヒーが重要な位置に次第にのぼっていくが見られます。後半は重要イベン…

カメラ買ってから一か月経った

2/22にカメラを買ってからだいたい一か月が経ったので買った経緯とか、その後思ったことなどを羅列。 入門するにあたって様々な知人友人に相談した。彼らは皆IT技術者である。ITのことについて同レベルのことを聞くと「それくらい自分で考えろよ」と言いそう…

言葉をどう受け取るかは人それぞれ、かつ、多様ということを学んだ話

はじめに 最初に言っておきますが、とくにスカっと結論が出るような話ではないです。 昨日ふと「行為の否定」を「人格の否定」と捉える人がどれだけの割合でいるのか、人格の否定ととらえた場合はどういう感情が湧くのだろうか、ということに興味があってtwi…

「カメラの教科書」を見た

今年から写真を趣味にしてみるかと思ってたときに人に勧められた本です。他の本を見たことがないので比較はできないのですが、いままでカメラを持ったことがなくて一切知識が無い今の私に必要十分なことが書いてあったと思います。カメラが届く前に見てもさ…

30分で論文流し読みシリーズ2: 「U-root: A Go-based, firmware embeddable root file system with on-demand compilation」

U-root: A Go-based, firmware embeddable root file system with on-demand compilationの感想など。 実際の所要時間 30分 概要 課題: 組み込み機器のファームウェアから、ファームウェアに埋め込んだlinux(この論文ではfirmware embeddedable root file sy…