技術書典7で著者の@tomoaki_teshimaさんに献本いただいた本です。
本書はOpenCVを題材にバグを見つけてからデバッグ、そのあとOpenCVのupstreamに還元するための技術について解説してくれています。このデバッグをする流れを筆者は探偵による調査に見立てています*1。経験豊富なソフトウェア技術者であり、かつ、OpenCVというOSSに幾多の貢献をしてきた筆者による迫力満点なトラブルシューティングは見どころ一杯です。題材は特定のソフトウェアですが、あらゆるトラブルシューティングに通じる内容です。ひたすら解析が続くだけではなく、ときおり箸休めのための余談が入ったり、コラムが入ったりというのもうれしいところです。
本書はこちらから電子版を購入できるようです。わたしが以前書いた以下のOSSトラブルシュート記事を面白いと思うかたであれば本書もきっと気に入るでしょう。
ここで本書を読むのに必要な前提知識について述べておきます。主にC++やアセンブリ言語のソースをもとにした解説なので、これらの言語を知っているのが好ましいと思います。しかし、解説が丁寧なので流し読みするくらいであればなくても大丈夫だと思います。
脱線ですが、なぜ献本いただいたかというと、著者がわたしの過去の活動Ryzen SEGV Battleを気に入ってくれたからだそうです。書籍でも触れてくれています。ご興味のあるかたはごらんください。書籍化もされています。
最後になりますが、もう一度。とてもいい本でした、献本ありがとうございました。
*1:わたしを含め、このたとえは非常に的を射ているのでけっこう使う人が多いです