一時的に無職だったころを思い出す

前職を辞めてから今の会社で仕事をはじめるまでの数か月間、まったく収入の無い無職でした。ふとそのときのこと振り返ってみたくなったので書きます。とくに悲壮感に満ち溢れていたり、面白おかしかったりはしない話です、これから無職になりたい人とかなりそうな人にはもしかすると参考になるかもです。

無職になってから数か月は本当に何も収入が無かったです。びっくりしたのは何も悪いことをしていないのに毎月お金が減ることでした。これはふざけて言っているんではなくて当時の偽らざる思いです。長期間食っていくだけの貯金はあって金銭的には余裕があったはずなんですが、これまで毎月増えていた持ち金が突然減りだしたので「このままでは減っていく一方」「これが尽きたら死ぬかもしれない」という感覚が出て、なかなかスリリングでした。定期収入大事。

お金が減るスピードもなかなかのもので、前年の収入を基準に支払額決まる住民税や国保はえらく高く感じてびっくりしたものです。給与からの天引きではなく自分で払い込むのでさらにダメージが大きかったです。どっちにしても払ってるのは変わらないんですが不思議なものです。

次は「何をしていたか」の話。しばらくは何もせずにごろごろしてようとか思ってたんですが、当時は何か頭を使っていないと落ち着かなかったので、新しいことをしようとハイスペックなBTOパソコンを買いました。そしたら運悪くハードウェアのバグっぽいものを引いてしまい、数か月にわたってひたすら原因究明するはめになりました。これまでに培ったスキルを活用できて、かつ、少なからぬ人の役には立ったはずだったのですが、別に誰と何を契約していたわけではないので当然一銭も入らなかったです。このときに「お金が欲しければちゃんと技術をお金に変換する努力をしないとなあ」と、しみじみ思いました。

この考え方は、のちに個人事業主(今は会社員との複業)になったときや再就職したときに大いに役に立ちました。あと今になって振り返ると、もっとダラダラしておけばよかったです。数年経って成長した今ならきっちりダラダラできそうな気がします。次に無職になったときは頑張ります。

続いて、前職在籍中に会社員として出会ってきた人たちとのその後の関係について。よく「会社員の看板が外れた瞬間に人は去っていく」という話がありますが、私はそういうことは全くなかったです。これには仕事を通じて知り合った人々はほとんど全員OSS開発者だったことも関係しているとは思いますが、彼らは会社員としての私ではなく、私自身になんらかの価値を認めていてくれていたということなので、とても嬉しかったです。

最後に「その後」の話。もともとは共働きだったこともあって「これからは一生無職で食っていく」と決意していたのですが、幸運にも自分を気にかけてくれる人や必要としてくれる人がいたりで、その後はなんやかんやと今勤めている会社に縁ができて、その後社員になって今に至ります。これについては「技術を磨いておいてよかった」「少なからず自分や自分が持っているものについて情報発信しておいてよかった」「必要以上に敵を作るような振る舞いをしていなくてよかった」などと思いました。

おわり。