当たり前のことをやっているだけで凄い

IT業界で10年以上過ごしている中で、凄いと思う人達にたくさん出会ってきました。最初はとくに新卒で入社した会社の先輩方が中心でした。ここでいう凄さとは何かというと「仕事を片づけるのが早い」とか「成果物の完成度が高い」などです。当時、こんなふうに自分もなってみたいという思いが強くて必至で真似しようと試行錯誤したのですが、全然うまくいきませんでした。ありていにいえば、表面上の凄さだけを見ていたことが失敗の原因だったかと思っています。早く仕事を片づけようと焦り、結果完成度も下がり…と、さんざんでした。

その後はアプローチを変えて、彼らの日常の何気ない振る舞いなどを観察することにしました。すると、彼らのうちの多くの凄さの源泉は驚異的に頭の回転が速いとか、ほかの誰もが持っていない異能力を持っていたりするわけではなく、世間で当たり前と言われていることを息をするようにやっていることだとわかりました。たとえば以下のようなものがあります。

  • スコープ内のことだけやる
  • 仮説と検証を愚直に繰り返す
  • 記憶より記録に頼る(紙/やPCに状況を記録)
  • 同じ間違いを二度しないための仕組みを作る

これらは聞くだけだと「そりゃそうだ」と思うだけで、「社会人なら全部できて当然」といわれたりすることもありますが、実のところ社会に出てからこれのことができているのは少数派といってよかったです。「当たり前を継続できるのは異能力では?」という考え方もあるでしょうが、後天的に知能を高めたりするよりは現実的かなと思います。何もできないうちから背伸びして人よりも秀でたプラスアルファを求めるよりも、まずは基本に立ち返って、当たり前を実践して、体に定着させるのもよいかなという話でした。そうするとプラスアルファが後からついてくるのではないかと思います。