新しい環境で大失敗した話

以下記事の文字起こし+αです。他の記事で書いたことがあるようなものは省略しました。

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前置き

わたしは前職を退職してからしばらく無職だったのですが、一年くらい後に今の会社に拾われました。そのときは多分うまくやれるだろうと軽く考えていたのですが、実際にはしばらく何もかもがうまくいかなかったです。

正直言ってこれを公にするのはかなり恥ずかしかったのですが、だれかがわたしと似たような境遇、新しい環境へのチャレンジする状態になった場合に他山の石とできそうなので書くことにしました。

話の都合上リモートワークや時短勤務について言及しますが、これらの制度を否定するつもりはまったくないです。また、会社としてはずっと気にかけてサポートしてくれていましたので、非はすべて私にあると先に書いておきます。

今いる会社に入ったときは私的な制約や好みにより次のような条件で働くことにしました。

  • 週20時間勤務(いわゆるフルタイムの半分)
  • 働く時間も不定
  • フルリモート勤務

では本題に入ります。

コミュニケーションの失敗

入社した当時は他の人とは全然違う、開発は当分先のストレージまわりの調査をしていました。そのときは「まずは他の人と一緒に仕事するわけでもないし」と自分から望んで定例会などには出ませんでした。私は知らない人と話すのがあまり得意ではないので、当時は何となくこうしたんだと思います。

このあと少ししてから非常に仕事がやりにくいことに気づきました。失敗に至るまでの流れは次のようなものでした。

  1. フルリモート勤務なので雑談する機会が無い
  2. メンバの人となり、誰がどんな役割なのかがわからない
  3. 寂しいし、蚊帳の外にいるような気になる(自分でそう思ってるだけだが)
  4. 何かあったときに誰に何を頼めばいいか、いちいち迷う。コミュニケーション効率が悪い

これについては、プロジェクトメンバやマネージャなどが見かねて助け舟を出してくれて、しばらくしてから定例会やモブプロにも入れてもらうことになりました。「こいつ使えない、クビ*1」でも不思議ではなかったのですが、見捨てず支えてくださったかたがたには感謝しかありません。

この後だんだんプロジェクトになじんできましたが、最終的にこの問題が解決したのは1年後くらいに海外のイベントにみんなで一緒に行って苦楽を共にしてからでした。それまでは全く意識していませんでしたが、私にとって同僚はある程度腹の内がわかる相手でないといけないということを思い知らされました。やってみないとわからないものです。

畑違いの分野へのキャッチアップの失敗

わたしは前職ではLinuxカーネルの開発、サポート業務をしていました。上述のように新しい環境では未経験だったKubernetesクラスタの構築という仕事をすることになりました。前職ではそれなりの実績があったため、「ちょっと上のレイヤに移動するだけだからすぐキャッチアップできるだろう」と高を括っていたら大間違いでした。実際には全然そんなことはなく、当時の私のスキルセットにはまったくない、非常に広い範囲の技術について知らなければいけませんでした。

この問題を解決するためには近道などなく、慣れるまで必死に食らいつくしかなかったです。最初に週20時間しか捻出できなかった頃は、何か一つ覚えているうちにKubernetesの世界や社内の開発は2つ先に進んでいくという具合で、ひたすら呆然としていました。事情が変わって仕事にかけられる時間が増えたことにより徐々にキャッチアップが進み、「これならなんとか」というレベルになるまでに結局2年くらいかかりました。

当時の技術力および時間の不足もそうですが、一番の問題は全く別分野の実績に胡坐をかいて舐めてかかっていたことだと思います。ある分野で実績があっても、他の分野では素人に過ぎないと思い知らされました。

まとめ

読者のみなさんがもし新しい環境に挑む場合は、あるいは今まさに挑戦しているという場合は、わたしと同じ轍を踏まないでほしいなと思います。そのためにこの文書がなんらかの役に立つことを願います。

*1:日本の法律上クビは難しいので実際は戦力外通告でしょうが