時間が倍速で流れる錯覚をした話

表題の通り、今朝時間が倍速で流れる錯覚をしました。とても面白かったので体験談を書いておきます。結論が先で詳細が後という技術文書のようなものではなく、経験したもの、そのとき思ったことを順番に書いているだけです。とくにIT技術の話は出てこないです。

本日午前3時ごろにふと目が覚めました。ゴロゴロしてたらすぐ眠れそうになかったので眠くなるまで音楽でも聴くかとYouTube Musicでお気に入りのアルバムを再生したところ、なにやら違和感がしました。いつも聴いている曲なのにいつもと違う。しばらくすると、違和感の原因が、曲の再生速度がやたら速いことだと気づきました。

これはYouTube Musicの設定を昨日変更してしまったからに違いないと設定項目を探したところ、まったく見つかりませんでした。Web検索しても見つからないし、それどころか「そういう機能は無いので残念」というページが見つかってしまいました。「ではこれはYouTube Musicを含むYouTubeの設定がおかしいのか」と思ってYouTubeで適当な動画を再生すると、こちらもやたら速かったです。「ああこれは間違いないな」と、速度調整用のボタンを押すと、現在の設定は標準になっていました。そして1.x倍にするとさらに速くなり、0.75倍にすると「ややいつもより遅い」くらいになりました。

「これはAndroidの設定がなにか間違っているかも?」と思ったものの、システム全体の再生速度のようなものを変更する設定は無かったです。「もしや」と思い時計を見ると、明らかにいつもより1秒が短かったです。スマホの時計も、部屋の据え置きの時計も、YouTube Musicに出てくる再生中の曲の進捗を出す領域に出てくる残り時間も、すごい速さで進んでいました。ここでようやく、「音楽、動画を含め、時間はこれまで通り流れていて、自分が遅くなっているのだ」と気づきました。事象を最初に観測してから状況を把握するまで、30分くらいかかりました。

この事実に気づいた後は「スタンド攻撃みたいだ!かっこいい!」とテンション爆上がりしてしまいました。家族と会話して自分の言葉が彼らにゆっくり聞こえるのか、彼らの言葉が自分に速く聞こえるのかを試したかったのですが、まだ深夜4時ごろだったのであきらめました。

その後冷静になって、「さてこれはどうしたものか、なにか重大な病気なのか」と思って適当に検索すると、このような症状が出る不思議の国のアリス症候群というものがあることを知りました。以下、該当部分を抜粋します。

この症状にはさまざまなバリエーションがある。対象や位置が限定されており、例えば、人の顔以外を見たときにのみこの現象が現れたり[4]、視野の右半分だけが 2 倍の大きさになったように感じたり[4]、テレビに全身が映った人物の顔と体の比率が歪み、何頭身であるかを認識できなくなったりする。 大きさだけでなく色覚についても異常が起こることもあり、例えば自分の母親が緑色に見えたりする[2]。また、この現象は視覚だけでなく時間の感覚に関して類似した現象が起こることもあり、時間の進み方が速くなったり遅くなったりしたように感じる人もいる[4]。 空中を浮遊するような感覚も特徴とし、現実感の喪失や離人症状も現れることがある[5]。 現象は数分で終わることが多いが、何日も継続する場合もある[3]。

これだとしたらそのうち勝手に治るらしいと書いていたので、適当な音楽をかけ続けて、どういう変化が起きるかモニタリングすることにしました。そうすると一気にではなく、だんだん、再生速度が自然に戻ってきました。最終的には午前5時ごろにはおおむねもとに戻りました。

というわけで夜中に起きて面白い体験をしてしまってテンション爆上がりしてあんまり寝てない、という話でした。「一秒が一秒じゃない」というのは非常に面白い体験でした。病院が開いたら行ってみようかなとも思ったのですが、とりあえず症状は消えているし、今は「もう一度発生したら行ってみるか」くらいの気持ちでいます。 おわり。