「トルコのもう一つの顔」を読んだ

著者が長年に渡ってトルコを旅してそこにある言語について調査した履歴を書いた本です。大変面白かったです。国家、民族、宗教、言語、およびそれぞれがごちゃごちゃに入り混じった様子について興味があるひとは気にいると思います。

「レイリ」を見た

日本の戦国時代に生きた剣の達人である少女レイリについて書いたフィクションです(昨日出た6巻で完結)。派手さはないのですが、きっちり設定が作りこまれていて、かつ、短く綺麗に完結しているという点で非常に良かったです。原作者は寄生獣などで知られる岩明均さんです。このかたの作風が好きであれば見ておいてまったく損はないと思います。作画は別のかたですが、物語にじつに合っていて、大変よいです。

フルリモートワーカーの日常

今所属している会社で勤続一年となりました。会社は東京の日本橋にありますけども私はそこから500kmほど離れたところでフルリモート勤務してます。技術書や記事を書くという複業もしています。最近ようやく生活パターンが固まってきたこともあって、こういう働き方をしてる人が普段どういう生活をしているのか、および今この生活についてどう思っているのかについてちょっと書いてみようと思いました。

どういう生活してるのか

平日のタイムスケジュールは大体次のようなかんじです。

  1. 5時くらいに起きてサイクリング(ただし雨降ってなくて寒くなくてたまたま起きられたときに限る)
  2. 6時半くらいからご飯食べる
  3. 7時30分くらいから子供と遊んだ後、保育園に送る
  4. 8時30分くらいから会社の仕事する。
  5. 16時くらいに子供を迎えに行って、その後遊ぶ
  6. 18時くらいからご飯と風呂
  7. 20時くらいから仕事とか趣味とか。ここでの仕事は会社の仕事だったり個人事業だったりいろいろ
  8. 22時くらいに寝る

とくに勤怠管理されているわけではないので4は義務ではありません。実際に去年までは一人でもくもくと作業してることが多かったです。ただ最近はこの時間はプロジェクトメンバと一緒に仕事することにしています。なぜならそのほうが効率がいいからです。

子供の発熱など、突発的に何かあれば途中で仕事を中断て一時的に抜けたりすることがよくあります。

休日の場合は上記のタイムスケジュールのうち、3-5が子供の相手してる時間にかわるくらいです。

思ってること

一年リモートやってみて思ったことは、とにかく楽ということです。決して仕事内容が楽なのではなく*1時間に融通がきくことが楽、という意味です。その一方で、この楽さは天与のものではなく「会社や同僚の理解があった」「自分の仕事内容がフルリモート可能な類のものだった」という要素が揃ってはじめて実現したものである、ということも強く思います。

そんなこんなで、いろんな人たちに感謝しつつ、引き続きやっていきたいと思います。

*1:楽しいですが、覚えること、やることが多いので大変でもあります

「死刑囚の記録」を読んだ

精神科医である筆者が死刑囚について書いた本です。といってもよくある彼らの人となりや犯罪そのものについては重要視されていません。収監されてから裁判を経て、死刑が確定して、やがて刑を執行されるまでにどのような精神的な変化があらわれるのかが記されています。私は本書を滅多に出会えない名著だと思いました。

切り口が面白いこともさることながら、臨場感あふれる囚人との対話の描写、および、筆者の観察眼や根気によって得られた莫大なデータに基づく見解などは見事でした。

題名に死刑囚とついていますが、本書には死刑囚だけではなく刑が確定していない囚人、死刑ではなく無期刑が確定した囚人との比較もあります。これについても一見の価値があります。

「OSGirls」を読んだ

技術書典6において販売されていた本書を買いました(BOOTHで電子版を販売中)。

booth.pm

結城浩さんの「数学ガール」をもじったタイトルで、中身もそれっぽくなっています。ただしコンテンツはOS。これだけ見ると出オチ感満載ですが、中身もしっかりしていました。

小難しい理屈をこねるのではなく、初心者がつまづきがちな以下の二点を意識してそれをフォローするように書かれています。

  • 「とりあえずなんでもいいから動くものがないとわからん」: 市販のOS関連書籍は動くものを作るまでの道のりが長かったり、そもそもコードが一行も無かったりする。本書は極めて単純なUEFIアプリを使ってうまくそれを解決している
  • 「専門用語やその意味がさっぱりわからん」: 知ってる人からすると「歴史的事情」とか「こうなってるからこうなってる」としか言いようがない、たとえばx86系CPUのレジスタ命名規則など。本書は先輩から後輩との対話というかたちでそれらを平易に説明している

現在はさわりの部分までしかありませんが、筆者の気が向けば続きを書いてもらいたいものです。

最後になりますが、最初の超展開が好きです。この時点で価格(500円)だけの価値はあったかと。

技術書典6で技術同人誌を販売します

4/14の技術書典6において「う 28 windhole」名義でLinuxカーネルを中心とした技術系同人誌を6冊販売いたします。

techbookfest.org

目玉商品は新刊の「Linuxのプロセススケジューラ バージョン0.01から5.0まで」です。これはLinuxカーネルのプロセススケジューラの歴史をLinux誕生時のバージョンv0.01から最新安定版のv5.0までに入った主な機能を紹介するという本です。紙版と電子版を販売します。

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技術書典新刊「Linuxのプロセススケジューラ バージョン0.01から5.0まで」

既刊5冊についての情報は以下boothのページをごらんください。

windhole.booth.pm

boothには電子版しかありませんが技術書典では紙の本も販売します。新刊もいずれboothで電子版を販売予定ですが、時期は未定です。

その他細かい注意事項を書いておきます。

  • 紙の本は2000円です。ただし紙の本を複数冊購入していただいたかたは2冊目以降が割引されて1500円になります。
  • 電子版は1000円です。
  • 現金決済のみです。
  • お釣りには限りがあるので、できればおつりがでないようにしていただけると助かります。

当日はこれらの本の編集者である風穴さんと2人で売り子をしています。ご興味のある方は現地でお会いしましょう。

「コーヒーが廻り世界史が廻る」を読んだ

最初のほうがコーヒーがどこから始まったのかという伝説や昔話から始まり、そこからどのような経緯で世界に広がっていったのかを扱った本です。序盤から中盤にかけては世界史の中でコーヒーが重要な位置に次第にのぼっていくが見られます。後半は重要イベントの紹介をしつつ、節々にコーヒーが出てくる、といったものです。両者の話のタイプは全然違いますが、どちらも面白いです。途中で砂糖の世界史と内容が重なる場面があるのでこちらも併せてみると楽しいと思います。