みなさんが所属している会社や学校などの組織から見た外部のイベントを楽しむ方法をいくつか書きます。ここでいうイベントとは、いくつかセッションがあって、最後に懇親会があって…という形式のものを想定しています。本記事の前半ではここ最近再開されつつあるオフラインイベントについて書きます。後半ではオンラインイベントやハイブリッドイベントについて述べます。筆者はIT技術者で、かつ、オープンソース関連のイベントに出ることが多かったので、これに近いところにいるみなさまにはとくに役立ちやすいかもしれません。
イベント参加でうれしいこととして、まずはセッションの聴講によって業界技術の最新状況や他社事例などを見られて知識が増えることが挙げられます。これは多くの方々が既に経験されているのではないでしょうか。
イベント参加にはそれ以外の楽しみ方もあります。具体的には外部の人たちとの双方向コミュニケーションです。これによって自分が所属している組織内の、ある種自分と似たような人々とは違う立場から新鮮な意見を聞いたりできます。さらに「この人は信用に足る」と思ってもらえれば、イベント後に別の誘いを受けたり、ほかの人を紹介してもらったり…といったこともあります。このような双方向コミュニケーションこそイベントの本番であると考える人は筆者を含めて、少なくありません。
「でもどうやって気になる参加者に話しかければ…」という人もいらっしゃるでしょう。そのような場合は、興味深かったセッションで質問してみたり、あるいはみなさん自信がセッションで喋る側になって話題を提供するという方法もあります。いずれにせよ、もともと知り合いではない人と新規にコミュニケーションをとるには、いきなり「○○と申します」などと話しかけるより、話の種があると非常にやりやすいです。
ここからは、オンラインイベント、あるいはオンラインとオフラインのハイブリッドイベントなら上述の楽しみ方はどう変化するかということについて書きます。まずはオンラインイベントについていうと、セッションを聴くという目的は達成できるものの、双方向コミュニケーションがなかなか大変です。オンラインイベント向けにはさまざまなプラットフォームがありますが、どれもオフラインイベントよりコミュニケーションコストが高くなりがちです。まず、セッション動画をリアルタイムでYouTubeなどから配信する場合、セッション後の質疑が通信の遅延の問題でリアルタイム性が低くなるため、質問者と講演者の間で複数回やりとりするのはなかなか大変です。遅延を回避するために配信システムに聴衆も入れると、誰がいつしゃべるかという調定が難しく、収集がつかなくなりがちてす。廊下や懇親会での会話に相当するものを実現するのも大変です。
もちろんそれっぽいことができるプラットフォームもありますが、わたしはオフラインの場合よりも気になる人に声をかけるのがやりにくいと感じています。ただ、このへんの感覚は慣れや性格にかなり依存するので、人によっては何ら苦労していないかもしれません。あくまで個人の意見です、
ハイブリッドイベントの場合はオフライン会場のほうが情報量が多いこともあってオフライン参加者とオンライン参加者との間で熱量に差が生じがちです。オフラインでは大盛り上がりなのにオンラインの人たちは置き去りになって…というのをよく見てきました。もちろん私がかつて参加したハイブリッドイベントではあの手この手でこの問題を解決しようと開催側の方々が奮闘していましたが、現代のテクノロジーが両者のコミュニケーションコストの差を埋められていないとな感じました。
オンラインでなにかをするのに消極的な人は「F2Fで会わなければ分かり合えないことってあるよね」などと言いがちですが、筆者は「オンラインでもオフラインと同等のことがやろうと思えばできるが、コストが高い」と感じています。
最後にまとめ。本記事では外部イベントに参加するとセッション聴講によって新知識が得られるだけてはなく色々な人と繋がって刺激が得られたり、また、なんらかの新しい道がひらける事があるという話をしました。また、現状ではイベントにオンラインで参加するほど、このようなことがやりやすいという筆者の私見を述べました。本記事が誰かのなにかに役立つことを祈って終わりとします。