スキマ時間をスキマのままにする

スキマ時間というやつがあります。典型的には何かやった後、次に別の何かをやる前のほんのひと時。こういう時間の使い方はさまざまで、SNS見る人、本を読む人、音楽を聴く人、動画を見る人、短時間でできる勉強をする人、などなどがいます。

昔よく自己啓発本を見ていた時期があって、そのときは多くの本に「スキマ時間を利用して自分の価値を上げる。一日わずかづつでも成長すれば一年後には大きな差が…」というようなことが書いていました。当時の私はスキマ時間に読書したりネットサーフィンしながらダラダラしていたんですが、このようなものを見てからは技術書を読んだりして勉強するようになりました。その後、成長スピードはたしかに上がったんですが、それは短期間しか続きませんでした。だんだんと疲弊してきて、すぐに色々なものの能率が下がって、その後は低空飛行を続けました。

この不調はスキマ時間にダラダラするようになったらあっさり回復しました。無為な時間の使い方をしていると昔は思っていたけれども、実はそれは直接生産的なことをしているわけではないですが、ちょうどいい休息になっていたのでしょう。

いまではこの休息の効果を最大限に高めるべく、スキマ時間にはノイズキャンセリングヘッドホンをつけたり眼を瞑ったりして入力を極力減らしつつ、ぼーっとしてます。読書したりネットサーフィンもせず、本当に何もしません。最初は「何もしないこと」にかなり抵抗がありましたが、今ではすっかり慣れました。

もちろん時間をどう使うのがよいかは人によって違います。詰め込めるだけ生産的なことをするほうがいい人もいるでしょうが、それではうまくいかずに、実はとことん何もしないほうがマシだった人もいるという話でした。