2018年を振り返りと来年の抱負
大晦日なので2018年の振り返りと来年の抱負をば。個人ブログなので会社の仕事のことは置いといて、主に個人的なものについて。
2018年の振り返り
全体的に良い年でした。旧知の人たちとも会う機会も増えたし、新しい人たちとも多く出会えました。彼らと会うときにいいものを食べ過ぎてお肉もついたのが玉に瑕です。書籍の出版、雑誌連載の開始、再就職などという初物イベントがたくさんあったので、劇的だったと言ってもいいかもしれません。他には個人事業主として色々手を出したことによって、月並みな感想ですが「自分自身でお金を稼ぐって大変だ」を実感しました。どれだけ技術的に面白いことをやって頑張っても、お金にならないと生きていけないですから*1。
2月にはLinuxのしくみというLinuxを通してOS、その中でも主にカーネルについて図解と演習によって学ぶ本を出版しました。書籍を書くことそのもの、および、OS知識を広い裾野に伝える書籍を書くことは長年の夢の一つだったため、現物を見たときは感慨深いものがありました。その節はフリー編集者の風穴さん、技術評論社の細谷さんには大変お世話になりました。おかげさまでよく売れてくれて評判も上々なようで、そちらも嬉しかったです。ただ一点、誤りがものすごく多かったという問題があったのが大きな反省点です。今回の反省を踏まえて次回作では改善見込みです。
この書籍についてはSoftware Design 2018年5月号からパワーアップ番外編として連載も始まりました。毎月締め切りに追われて死にそうになりながら面白く取り組んでいます。これについては声をかけていただき、かつ、編集も担当いただいている技術評論社の池本さんに感謝です。
一年間に5つのイベントにおいてプレゼンテーションをしてきました。これらは人前で喋る練習、知識をアウトプットする練習、趣味でやったことの発表の場として活用しています。以下そのリストです。ご興味があればごらんください。
- 今年頭に世の中を騒がせたMeltdown脆弱性の概要
- Linuxのソースをどこまで削減できるかの挑戦
- GCEのf1-microインスタンスが謳われている通りの挙動をするかの実験
- linuxの最初のバージョンから(執筆当時の)最新バージョンまでの全史を紹介
- linuxの最新バージョン(執筆当時)のスケジューラの挙動を概説
4月、10月には例年通り技術書典で同人誌を売りました。ありがたいことに毎度たくさん売れるので「こういうマニアックなものに一定の需要があるのか」という驚きとともに「わざわざ足を運んでくださってありがたい」という思いでいっぱいです。それに加えて一緒に本を売っており、かつ、いつも面倒な事務作業部分を一手に引き受けてくれている風穴さんには頭が上がりません。
技術書典には通算4回出ているのですが、今年10月に出たころには「幅広い読者に響きそうなものは出版社を通して書店に並ぶような本として売る」「ごく一部の人にだけ響きそうなものは各種イベントにおいて発表して、それをさらに練ったものを同人誌として売る」という流れを作れたのがよかったと思います。今後も趣味と実益を兼ねたマネタイズの仕組みを作っていきたいところです。
5月には、当時技術顧問を務めていたサイボウズ社の正社員になりました。主な理由は現在所属している社内インフラ刷新プロジェクトNecoに興味を持ち、関わってみたいなと思ったことです。勤務形態が世間の大多数と著しく異なることもあって、その範囲でできそうな業務内容はもとより希望給与を自分で決めるのは相当苦労しました。しかしこれは貴重な経験だったと思います。
8月にはセキュリティキャンプ全国大会の講師をしました。私は今回「Linuxカーネルを改造する」というテーマで2人の学生さんを受け持ったのですが、彼らにとってこれが何らかの実りあるイベントだったのであれば幸いです。その他にも例年通り他の講師、チューター、学生たちにいつも大きな刺激を受けられました。来年もお声がかかればぜひ参加したいと思います。
12月にはKubeCon North Americaに参加するために業務として国外に行ってきました。仕事として何を得たかについては下記ブログをごらんください。
個人的には英語力が数年使っていなかったことによって劇的に衰えていることがわかりました。とくにlisteningとspeaking。このためにskypeによる英会話レッスンを帰国早々始めました。いまのところ段々マシになってきているのを感じるので、しばらくは続けてみたいと思います。
来年の抱負
以下の優先順位でやっていきたいと思っています。
- 家庭円満
- 10kgくらい痩せる
- 出版社経由で本を一冊出す
- 二つ以上技術的なプレゼンをする
- 同人誌の新刊を4月、10月の技術書典において1冊づつ出す
- 個人事業の幅を広げる
ポイントは技術云々よりも身の回りのことを優先していることです。家族が第一、体が資本。全部やろうなんて思わずに、できる範囲で。
*1:といっても会社員でもあるので給与所得もありますが…