kindleの本が全部消えた話(2) 弁護士に依頼して裁判するのは辛そう編

2022/5/27編集
- 後述のアカウント統合後にamazon.comのアカウント削除によってkindle本が全部消えるのは仕様である旨、追記

2022/6/1 変更
- 「サポートの指示によってamazon.comのアカウントを消した」のではなく「使用していないamazon.comのアカウントを閉鎖してもいいのか」という趣旨の質問を私がしたのに対して「そうですね」と回答されたということがわかったので、訂正。

変更前の記述には取り消し線を引いて、編集後の記述は強調表示しました。

NOTE: 上記変更点にもあるように、「サポートの指示によってamazon.comのアカウントを消した」という私の認識は誤っていたことがわかりました。これについてはamazon.co.jpのかたがたにメールで謝罪いたしました。

以下記事の続きです。

satoru-takeuchi.hatenablog.com

問題

  • 4月9日にkindleの本が全部消えた。その後に新たに買った本も読めないように見える。消えた本はわかっている範囲で300冊以上、総額は恐らく30-60万円程度
  • amazon prime videoやmusicなどにも(少なくともAndroidアプリからは)アクセスできなくなっている
  • 問題発生契機は、別問題の対応中にサポートの指示(上述の通り、これは記憶違いの誤りだった)に従って、かつてamazon.co.jpのアカウントと統合したamazon.comのアカウントを消したこと(「アカウント結合とは何か」「なぜ統合したのか」については後述)。この振る舞いは仕様であるとamazon.comのヘルプページに書いている
  • アカウント統合後にamazon.comのアカウントを消すとamazon.co.jpのアカウントで購入したkindle本が消えるという不具合は、amazonは組織として認識していた

前回からの変化を3行で

  • amazonのサポートとやり取り中。前回の記事で「週一の定期連絡をもらう」ということを書いたが、6週連続「進展なし」と伝えられている
  • 住んでいる市の消費生活センターに行ってきたが「ここで扱える案件ではないので弁護士に法律相談してほしい」と提案された
  • 法律事務所に相談してきたが、少なくとも弁護士に依頼して裁判するのは費用対効果が悪すぎるので辛そうだとわかった(詳細は後述)

市の消費生活センターで得たこと(5月13日に訪問)

前回の記事を書いた後、住んでいる市の消費生活センターに行きました。消費生活センターは、「消費生活センター等では、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問合せなど、消費者からの相談を専門の相談員が受け付け、公正な立場で処理にあたっています。」と国民生活センターの公式サイトにおいて説明されています。

www.kokusen.go.jp

相談員さんに事情を説明をしたところ、「ここでそのような案件は扱えないので弁護士に法律相談をしてほしい」という案内をいただきました。このセンターでは、たとえばamazonにまつわるトラブルであれば、不良品が届いたけど連絡先がわからない人に電話番号を教える、というようなことしかしていないようです。

ここでamazonに何らかの働きかけをしてくれるわけではなかったのは残念でしたが、できないものはしかたがないので、次は弁護士に相談してみることにしました。市の制度で無料で相談できる場もあったんですが、相談できる日時が限られているなど、わたしにとって諸々都合が悪かったので、法律事務所で相談することにしました(こちらは私の行ったところでは一回5500円)。

弁護士への相談で得たこと(5月20日に訪問)

ここでは本件だけではなく、今後似たようなトラブルに遭遇したときにも役立ちそうな、ためになることをたくさん伺いました。以下抜粋。

  • 本件についてamazonを訴えるのは割に合わない
    • 全額とりかえせたとしても高々数十万円程度なのに対して、裁判に訴えると初期費用が最低でも20万円かかる。さらに長期化すればどんどん必要経費が増える。裁判ではないもう少し費用のかからないやりかたもあるが、それも最低10万円から。
    • 書籍の購入額のすべてを取り返せるとは限らない。購入した本をすでに読んでいるとすると(実際、もちろん読んでいる)すでに一定の利益は既に得ているとみなされ、請求できるのはこの利益を差し引いた額になる。さらに、この額をどういう理屈でいくらにするのが妥当かを決めるのもけっこうめんどくさい
  • 裁判したとして、どれくらいの期間かかるか、および勝てるかどうかが何ともいえない
    • わたしが述べたことが事実だとすれば非はamazonにあるが、それを立証するのはけっこう大変
    • 裁判では訴えた側が証拠を積み重ねていく必要がある
    • kindle本の全滅を引き起こした誤った操作はamazonの指示(上述の通り、これは記憶違いの誤りだった)によって実施したこと」「amazonがこの操作によって発生しうる問題を事前に認識していたこと」など、わたしの訴えの正当性を裏付ける資料がわたしの手元になく、amazonの通話記録にしか残っていない(一部メールでやりとりしているので、その情報が役に立つかもしれないが、精査はしていない)
    • amazonに通話記録を出させるまでの手間がそれなりに多い。最悪出させられないこともある
  • 次の一手の候補
    • 市の消費者センターよりも一歩踏み込んだ対応をしてくれるかもしれない消費者相談用の窓口が県庁所在地にあるので、そこで相談すればわたしとamazonとの間に立ってくれるなど、なんらかの進展が期待できるかもしれない
    • 弁護士を間に入れずにわたし個人がamazonに対して裁判を起こす。書類を出すこと自体は6000円でできる。ただし大変。要所要所で弁護士さんに法律相談をして、一般論としてアドバイスをもらうことはできる

わたしは法律にまったく詳しくないので、「なるほど」とうなずくことばかりでした。この相談によって問題が解決したわけではまったくないのですが、次にとりうる手が増えたので満足です。正直なところ「これで5500円は安い!」と思いました。みなさまもこういう機会があれば一度法律相談してみると面白いと思います。

これからやること

まずは弁護士に紹介された県の窓口で相談した上で、地道にamazonのサポートに要求を続けます。正直なところサポート経由のやりとりで何か進むことはこれまでの実績から考えて期待をしていないのですが、やるしかないかなと。あと、せっかくなので自分で裁判を起こす可能性を視野に入れて情報収集をしようと思います。まだまだ道は長そうです。

おまけ: amazonのアカウント結合について

amazonのサービスは国ごとにアカウントが変わります。アカウント結合によって、amazon.co.jp(主に日本在住者が使う)とamazon.com(主に米国在住者が使う)を結び付けられます。名寄せというやつですね。詳細は以下公式サイトにおける説明を参照ください。

Amazon.comのアカウントを結合済みのお客様 https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201265640

なお現在amazonはアカウント結合を受け付けていないようです。

このアカウント統合というのが曲者で、これまでにさまざまな問題を引き起こしてきたようです。実際、前回の記事の公開前後に、わたしと同じ、または類似したトラブルに遭遇したという情報を数十件いただきました。そのうち解決したという報告は「クレームを入れまくったら消えた本の代金を返金してもらえた」という一件だけで、あとは放置しているか、あるいはサポートに連絡してもわたしと同じくまともに対応されなくて泣き寝入りだそうです。厳しい。

なぜわたしがアカウント結合をしたかについても書いておきます。かつてわたしは日本でのkindleサービス開始前にamazon.comのアカウントで米国のkindleのサービスを利用していました。日本でもしばらく後にkindleのサービスが提供されたものの、日本でのサービスを利用するためには私の場合はアカウント結合が必要でした。二つのアカウントに登録しているメールアドレスが同じ場合はこの操作が必要とかなんとか、そんな話だったかもしれませんが、なにぶん10年くらい前のことなのでうろ覚えです。共有された類似案件についても、わたしと同じ理由によってアカウント結合をしたというかたが多かったです。

kinesis日本語配列モデルに慣れた

以下記事の続き

satoru-takeuchi.hatenablog.com

延べ使用時間が一ヶ月分くらいになりましたので完結編ということで。まだ多少引っかかるところはあるものの、プログラミングにも支障がないレベルまで習熟しました。最終的な感想は、「聞いていた通り慣れるまでは時間がかかるし、かつ、その間はストレスフル」「日本語配列と銘打っているが、一部に(とくにプログラマにとって)変なキー配置になっているのでリマップがおそらく必要」「慣れるとめちゃくちゃ快適」というものです。

以下、かつて辛かったところをどうやって克服したかを書きます。

backspace, delete, space, enterあたりを親指で押す。具体的にはbackspaceが左親指のホームポジションにあり、deleteはその右にある。spaceが右親指のホームポジションにあり、enterはspaceの左にある。これらの配置はわかってくると最高なんだけど、そうでないうちはいちいち何をするにもひっかかるので辛い。わたしはある程度勘を掴むのに三日くらいかかった

慣れるしかない。辛いが、これのおかげで今楽ができている。できるまで耐えるのみ。

タッチタイピングができるのが前提に近い。わたしは指を移動させまくるなんちゃってタッチタイピングだったので、いちいち「いつもはBを右指で押していたが、セパレート型であるがゆえに左指で押さなければならない。が、長年の癖はなかなか抜けないので戸惑う」「いちいち左右に一つずれたキーを押してしまう」などのしょうもない問題に引っかかった。というか、まだひっかかっている。タッチタイピングをもとからちゃんとできる人は多分習熟までの時間は短くなる

慣れた。副作用として普通のキーボードでもタッチタイピングができるようになった。あとkinesisに適応した結果、普通のキーボードが使えなくなるかと恐れていたが、これは杞憂だった。頭が「二つは似て非なるもの」と認識しているのか、何の抵抗もなく両方使える。

いくつかのキーがかなり変なところにある。例えば”\”と”_”のキーは普通の配列なら右端あたりにあるが、Kinesisでは親指で押す。場所はenterの左。"\"と"|"のキーは"x"の真下にある。 一番つらいのが"^"と"~"の入力。左下あたりの”z”の真下にある"keypad"という特殊キーと、その右にある"\"と"|"のキーを同時に押さなければならない。これらの文字はわたしが使うプログラミング言語ではあまり出現頻度は高くないが、毎度余計なキーを押さなけれなならないのはあんまりうれしくはない*1

キーのリマップで乗り切った。ここは人によってどのようにするかは好みの分かれるところだが、おそらくはなんらかのリマップは必須だと思う。わたしは以下のようにした。

  • ↑と↓をそれぞれ"^~"と"|"に置き換え
  • 右シフトを"_"で置き換え
  • keypad+hjklを←↓↑→で置き換え

タスク管理、スケジュール管理方法の共有

タイトルの通り、わたしが何年もやってるタスク管理、スケジュール管理の方法を共有します。飽きっぽい、いろんなことを一気に覚えられない、並列作業が極めて苦手、という特性を持つ私向けに特化してます。似たような性質の人には役立つかもしれないと思って書きました。個々のツールの細かい使い方については説明しません。

まずは紙の手帳を使うのか、それともそれ相当のソフトウェアを使うのかについて。紙の手帳がなじむという人もたくさんいますが、わたしは手帳を自分の手元にいつでも開けるように持っているのがめんどくさいのと、自分の字が汚くて後から解読できないので、紙による管理は最初から候補から外れていました。

ではどんなソフトウェアを使っているかというと、Google CalendarGoogle Todoリストの二つです。これらに素晴らしい機能があるから使っているわけではなくて、目の前にあって必要十分な機能を備えているから使っているだけです。多機能なソフトウェアもいくつか試しましたが、結局機能を覚えるのと使いこなすのがめんどくさいこと、および、凝った機能を使っていなくても表示がごちゃごちゃしがちであるといったことより、結局は前述の2つのシンプルなツールに落ち着きました。このへんは好みの問題。

以下、スケジュール管理で気を付けていること

  • 決まり次第速攻で記入する。「あとで入れる」とか言ってると十中八九忘れる。どうしても入れられないときはtodoリストに「XXのスケジュール記入」くらいを書いておく
  • 時間と場所(最近はビデオ会議ツールのURLだったりもする)と、あれば予定のコンテキストを思い出すために必要最小限のことが書いてある文書のURLを書く。なければ簡潔なメモを残す。個々の予定に凝ったことを書かないのが重要。そうしていると飽きてやめてしまう。カレンダーは最悪「この時間は埋まっている、ここは空いている」という情報さえあればなんとかなることが多い
  • 予定の当日になったら全予定について直前にスマホのアラームを設定する。カレンダーの機能でもこういうのは鳴らせるが、意識的に朝一に全部セットすることによって「今日はこういうことをする日」ということを頭に刻む(アラームがないと忘れるけど)
  • 会社の仕事の予定については個人のカレンダーに情報を書けないので仕事用のカレンダーで別途管理している。予定の名前を「会社」とかだけにして、それ以外の情報は一切書かず、知りたければ会社のカレンダーを参照する。下手に情報を二重化しない

以下、タスク管理で気を付けていること

  • 「何日の何時から何時までにやらなきゃいけない」というものはカレンダーにのみ入れる。それ以外はすべてTODOリストにのみ入れる。二重登録すると後で整合性が取れずに破綻する恐れがあるのでやらない
  • やるべきことは基本的にすべてまずTODOリストに書き出す。頭の中だけにある状態を避ける。マスターデータはTODOリストで脳はキャッシュだと捉える。これで「何か忘れているものはないか?」といった疑いが少なくなるし、タスクの抜け、漏れが減る
  • 10秒でできそうなことはTODOリストに登録せずにその場でやったほうが早いのでやる。ただし10秒で終わることでも2つ以上ある場合は一つめをやっているうちに二つ目を忘れるので、両方TODOリストに入れる
  • タイトルは簡潔に。期日があればタイトルに期日を入れる。ダサいがわかりやすい
  • タイトルに収まりきらない情報があればメモ欄を使う。メモには詳しいことが書いてある文書のURLを張るか、あるいはそれがなければ簡潔なメモを書く。情報の二重化は極力避ける
  • タスクはなるべく細かく分ける。粒度が大きいといつまでたっても終わらなくて滅入る。あとタスクにチェックマークを入れると何かを成し遂げた気になってやる気が出てくる
  • 「今日やる」に指定するタスクはなるべく少なく、できれば1つだけにする。なぜなら「今日やらなきゃいけないことがいっぱいある」ことによって選択がめんどくさくてやる気が無くなるから。それが終わって、かつ、まだ時間と余力があるのなら期日が次の日以降、あるいは設定されていないものから適当に1つ引き抜いてくる。なんとなく「明日やろうとしてたことを今日片づけている」と、凄いことをしているような気分になれる

どちらもわたしが何年もかけてたどり着いたやりかたなので、もし参考にされるかたは「一気に全部やろうとすると辛いので、最初は一部だけ参考にする。とにかく続かせること、習慣化を最優先させる」「上記のやりかたが自分にとっての最適解ではない。自分の特性に合わせてカスタマイズすればよい」ということを念頭に置いていただければと思います。

このエントリの話題については以下の本も参考になるでしょう。

上記のわたしのやり方も、この本のやり方がベースにあって、それを長年の経験をもとに自分なりに改変したものです。

スキマ時間をスキマのままにする

スキマ時間というやつがあります。典型的には何かやった後、次に別の何かをやる前のほんのひと時。こういう時間の使い方はさまざまで、SNS見る人、本を読む人、音楽を聴く人、動画を見る人、短時間でできる勉強をする人、などなどがいます。

昔よく自己啓発本を見ていた時期があって、そのときは多くの本に「スキマ時間を利用して自分の価値を上げる。一日わずかづつでも成長すれば一年後には大きな差が…」というようなことが書いていました。当時の私はスキマ時間に読書したりネットサーフィンしながらダラダラしていたんですが、このようなものを見てからは技術書を読んだりして勉強するようになりました。その後、成長スピードはたしかに上がったんですが、それは短期間しか続きませんでした。だんだんと疲弊してきて、すぐに色々なものの能率が下がって、その後は低空飛行を続けました。

この不調はスキマ時間にダラダラするようになったらあっさり回復しました。無為な時間の使い方をしていると昔は思っていたけれども、実はそれは直接生産的なことをしているわけではないですが、ちょうどいい休息になっていたのでしょう。

いまではこの休息の効果を最大限に高めるべく、スキマ時間にはノイズキャンセリングヘッドホンをつけたり眼を瞑ったりして入力を極力減らしつつ、ぼーっとしてます。読書したりネットサーフィンもせず、本当に何もしません。最初は「何もしないこと」にかなり抵抗がありましたが、今ではすっかり慣れました。

もちろん時間をどう使うのがよいかは人によって違います。詰め込めるだけ生産的なことをするほうがいい人もいるでしょうが、それではうまくいかずに、実はとことん何もしないほうがマシだった人もいるという話でした。

kindleの本が全部消えた話

2022/5/27 変更
- 後述のアカウント統合後にamazon.comのアカウント削除によってkindle本が全部消えるのは仕様である旨、追記

2022/6/1 変更
- 「サポートの指示によってamazon.comのアカウントを消した」のではなく、「使用していないamazon.comのアカウントを閉鎖してもいいのか」という趣旨の質問を私がしたのに対して「そうですね」と回答されたということがわかったので、訂正。

編集前の記述には取り消し線を引いて、編集後の記述は強調表示しました。

NOTE: 上記変更点にもあるように、「サポートの指示によってamazon.comのアカウントを消した」という私の認識は誤っていたことがわかりました。これについてはamazon.co.jpのかたがたにメールで謝罪いたしました。

ここに書いたことは2022年4月21日現在の話です。

サマリ

あらすじ

しばらく前にamazon kids+についてトラブルが発生したのでamazonのサポートに問い合わせたところ、どうやら前節において書いたアカウント統合に起因する問題ではないかということになりました。いろいろ切り分けた後に、サポートの指示に従って(上述の通り、これは記憶違いの誤りだった)、もう使っていなかったamazon.comのアカウントを消しました。するとkindleの本が全て消えました*1。より正確にいうとアカウント削除依頼から実際にコンテンツが消えるまでには90日待つことになっていて(その間は削除をキャンセルができる)、kids+の件でアカウント削除処理をしてから90日後の4/9にkindle本全滅問題が発生しました。

その他に発生した問題

Androidのアプリからはamazon prime videoにもprime musicにもアクセスできなくなっていました*2。具体的にどうアクセスできないかというと、これらサービスを使うためのアプリからamazon.co.jpのアカウントにログインできなくなりました。なお、アプリにログインできないという点ではkindleアプリも同様です。

さらにいうとamazonの買い物用のアプリもログインしてから最短で数秒ほどでログアウトされてしまいます。事後に物理本を買ったところちゃんと買えたし届いたので、物理的なものを買うのは強制ログアウト問題は置いておけば大丈夫のようです。しかしkindle本はそうはいかなくて、試しに0円の本を買ってみると買えばしてリストには出てくるけど読もうとしたらログアウトされる、という具合でした。つまり現在このアカウントでkindleがまったく使えない状況になっています。

アカウント統合についての思い

アカウント統合のしくみはよくわかりませんが、統合後にデジタルコンテンツはamazon.comのアカウントが引き続き持っていて、このアカウントを消すと全滅するというような仕組みなのかもしれません。ここはただの仮説。

twitterでこの件についてブツブツ言っていたら、他にもアカウント統合後に私と同じあるいは似たような問題に遭遇した沢山の方々から報告をいただきました。また、事象発生後にサポートのかたから「アカウント統合後にamazon.comのアカウントを消すとkindleの本が消えるという既知の不具合がある(必ずなのかどうかは未確認)」と伺いました。やばそう。

そんなこんなで、どうもアカウント統合後にはろくなことが起きないようなので、どうしてもという強い理由がなければやめておいたほうがよさそうです。少なくとも自分は二度とやりたくないです。

現状

実はまだ今後の対応が決まっていなくて、引き続き困っています。サポートの方とのやり取りは続いていますが、現在は次のような状況です。

  • 対応方法については協議中
  • 現時点で回答の日時を伝えられない
  • 週に一回連絡する

というわけで、お金が絡む話なので慎重にならざるをえないことは理解するものの随分ノンビリしてるなあと思いつつ、強権発動できる立場でもないために打つ手がとくにないので、ただ、待ってます。

誰か内部に働きかけられる人がいたらなんとかして…

*1:アカウントサービスからデジタルコンテンツを確認したら本のリストが空になっていた

*2:PCからは確認していません

Kinesis日本語配列モデルを買った

何年か前に人がが使っているのを見てかっこいいなと思ってたやつ。生活に刺激が欲しかったこと、将来的な腱鞘炎の発生を予防したかったことが決め手になりました。買ってから一週間くらい使ってみた感想を軽く書きます。なお、買ってからは三週ほど経ってるんですが、諸々あってまともに触れたのが現在一週間程度なのです。

これまで使っていたのは日本語配列のHHKBです。

Kinesisを使い始めてから一週間経ったところ、元に比べて日本語入力は60%から80%くらいの速度で入力できるようになりました。プログラミングは記号入力にかなり手間取るので、元に比べて40から50%くらいの速さです。たしかに手や腕をほとんど動かさず入力できるので、将来的にはかなり快適になると期待できます。

これまでに辛かった点をいくつか挙げておきます。

  • backspace, delete, space, enterあたりを親指で押す。具体的にはbackspaceが左親指のホームポジションにあり、deleteはその右にある。spaceが右親指のホームポジションにあり、enterはspaceの左にある。これらの配置はわかってくると最高なんだけど、そうでないうちはいちいち何をするにもひっかかるので辛い。わたしはある程度勘を掴むのに三日くらいかかった
  • タッチタイピングができるのが前提に近い。わたしは指を移動させまくるなんちゃってタッチタイピングだったので、いちいち「いつもはBを右指で押していたが、セパレート型であるがゆえに左指で押さなければならない。が、長年の癖はなかなか抜けないので戸惑う」「いちいち左右に一つずれたキーを押してしまう」などのしょうもない問題に引っかかった。というか、まだひっかかっている。タッチタイピングをもとからちゃんとできる人は多分習熟までの時間は短くなる
  • いくつかのキーがかなり変なところにある。例えば”\”と”_”のキーは普通の配列なら右端あたりにあるが、Kinesisでは親指で押す。場所はenterの左。"\"と"|"のキーは"x"の真下にある。
  • 一番つらいのが"^"と"~"の入力。左下あたりの”z”の真下にある"keypad"という特殊キーと、その右にある"\"と"|"のキーを同時に押さなければならない。これらの文字はわたしが使うプログラミング言語ではあまり出現頻度は高くないが、毎度余計なキーを押さなけれなならないのはあんまりうれしくはない*1

ある程度ストレスなく使えるという段階にたどり着くまでには、あと1,2週はかかるんじゃないかという印象があります。がんばっていきたいと思います。

*1:英語配列では"z"の下には”keymap"特殊キーはなくて通常のキーが割り当てられている

会社員になる前の話

以下エントリのさらに前の話です。

satoru-takeuchi.hatenablog.com

小学校時代あたりから大学に入る前あたりまで。勉強できたかどうかとか、プログラミングに興味を持ったきっかけとか、どうやって成長してきたかとかそういう話。私の書くこの手のエントリでよく前置きをするように、やりたいことだけやりたい、やりたくないことは嫌いだし苦手、というタイプの人には役立つかもしれません。

小学校の最初のほうは算数とかが得意だった気がします。ただその後は反復練習をするのが嫌いだったり、一回授業を受ければすべて理解できるほど頭よいわけでもなかったので、順調に落ちこぼれました。このころは漫画読んでゲームして、くらいしかしてなくて、漫画家になりたいとか思ってました。従兄がMSXを持っていて、かつ、ベーマガのサンプルコードを自分で打ち込んでゲームやってたりしたので「プログラミングってすごい、ゲームが自分で作れる」という認識はここでできました。兄は勉強ができて、かつ、面倒見もよかったので、どこに行くにも兄と一緒で、兄に依存して、何も自分では考えずに頭に霞がかかったように、ぼんやり生きていました。

高校は地域内で勉強苦手な人がギリギリ入れるくらいのところに行きました。当時、その高校の中では中くらいの成績だったような覚えがあります。このころ、過去のMSXの記憶を思い出して漠然と「パソコンがあればゲーム作れるのか、作ってみたい」と思ったり、「ゲームプログラマで生きていければ楽しんでお金もらえてよさそう」とか思ってた気がします。1年の中盤あたりでたまたま物理の試験の点数がえらく高かったので、「ああ、自分は何もできないと思ってたけど、できることがあるのか」と思って、頭の霞が少し晴れました。そのときはあんまり意識しなかったんですが、実はこれが人生の重要なターニングポイントだったかも。自己肯定感と成功体験大事。あと、進学のときにうっかりもう少し難しい高校に進んでいれば、この体験がなかったかも。

高1の終わりくらいにたしか兄がPC買ってもらって自分もちょっと触ったんですが、プログラミングにさほど興味は示さず、兄がベーマガを見てなんかポチポチ打ち込むのを見ていたくらいでした。インターネットにもつながりましたが、2chなどのテキストサイトを見てるくらいで、とくに生産的なことはしていませんでした。そのころあったRPGツクールDante98というツールでゲームを作ろうとしたものの、よくある話で根気がないので続かず。高校2年から文型と理系のクラスに分かれることになったんですが、数学や物理がそこそこできたのと、「英語やりたくない」という理由で*1理系コースに行きました。

高校2年あたりで兄が大学進学のために実家を離れました。するといろんなことを自分で考えるようになって、これまた意識が大きく変わったことを覚えています。のちに家族からも「あれをきっかけにずいぶん変わった」と言われました。彼が残していったPCを使って、簡易プログラミング言語のようなものでいくつか小さいゲームを作っていました。このあたりで「プログラマ(主にゲームプログラマ)になりたい」「情報系の学科を受験したい」と固く決意したのを覚えています。そのころインターネットなんて使えないとか、それとは別に、前述の成功体験でいい気になって、なんやかんやで勉強して成績がよくなり、高校の成績が一番になりました。勉強できない人がいく高校の一番ではありますが、一番は一番なので気持ちよかったです。成功体験大事again。

そのあとは見事に慢心して勉強しなくなり、情報系学科の受験に失敗しました。受験した大学の別の学科に滑り込みで入れたので、なんとか首の皮一枚つながりました。あのとき浪人していたら多分勉強せずに順調に落ちぶれて、今も実家でグダグダしていたかもしれません。その学科は偏差値でいうと50切るくらいだったと記憶しています。高校でトップだったとはいえ、世間的には勉強できないのは変わりません。センター試験で数学や物理などのいわゆる理系科目よりも国語の点数が圧倒的によかったので、「一体自分は何者なんだ」と思った記憶があります。これはのちのちテクニカルライター個人事業主としてやる伏線だったのかもしれません。

大学に入ってからは専門教育も一般教育にもとくに身が入らず、B1の最後の成績は悲惨なもので、このままでは留年必至という状況になりました。ここから奮起してたくさん勉強して、最終的にはまあまあの成績に落ち着いてB4に至りました。毎度毎度、ギリギリになるまでは徹底的にサボり、その後に謎のパワーでピンチを切り抜けています。これはいまでも変わっていません。このころには「ああこれはこういう性格なのだな」と、ある程度割り切るようになっていました。自分を知るの大事。それ以外には数学と現実(専攻分野であった材料工学)が結びつくという体験ができたので、何かに開眼したように記憶しています。知識のリンクですね。この快感はすごい。

プログラミングについては徐々にマニアックなことをするようになってきました。

  • 「このテキストファイルはPC上にどのように保存しているのだ」と思ってデータをバイナリダンプしたり文字コードの概念を知った
  • 「プレステのゲームのポリゴンってどうなってるんだ」と思って三角関数を学んでポリゴナイザを作った
  • 「画像ファイルはどう表現しているのだ」と思って(たしかWindowsbmp形式ファイルの)エンコード方法を解析して、画像描画エンジンを作った
  • 「プログラムの起動は誰がやってるんだ。OSというのがやってるらしいが、そのOSは誰が起動するのだ」というのを考えてOSとかカーネルの存在に気づいた

なんかこう、レイヤが下がってきましたね。このころから「自分にはゲームプログラマになるためのセンスも情熱もないな」と感じるようになってきました。それとはいれかわりで「そのさらに下のしくみがおもしろそう」と思うようになってきました。

B4ではまたしても落ちぶれて、「興味がないことはないが、これで一生食っていける気がしないし、やりたくないし、一流には決してなれない」という強い思いがあって、一発逆転を狙ってサーバベンダのLinuxカーネル開発部署へのインターン応募に突撃することになりました。

後の流れは冒頭に紹介した記事の通りです。振り返ってみれば綱渡りのような人生を歩んできていますが(今もそうです)、そもそも自分はコツコツ勉強して着実に成果を出していくというのはストレスフルで困難なので、多少進路が変わったとしても、結局この手のギリギリの生き方をするしかなかったのかなあと今は思っています。人生人それぞれですよ。でもコツコツできる人はやったほうがいいと思いますよ。わたしはたまたまうまくいっただけで、わざわざ好き好んでハイリスク人生を送る必要ないと思います。

おわり。

*1:それは完全に間違いだったんですが