情報発信に伴う負のリアクションについて

なんらかの情報発信をすると、いろいろなリアクションが返ってきます。本記事ではこれら負のリアクションに怖気づかずに発信を続けたい人に、これまでに色々な記事を書き、かつ、殺害予告を含めた多種多様なリアクションを受けてきた筆者の考えかたを書いたものです。とくに情報発信を推奨するものではありません。やりたい人がやればいいだけです。

負のリアクションにはいろいろなタイプがあります。ここでは以下の三つのタイプについてのみ述べます。

  • 馬鹿だのアホだのいう悪口
  • 答えが無いものについての反対意見
  • 誤りの指摘

複数のタイプが混ざり合ったものもあります。たとえば「ここの定義が間違えている。こいつは頭がおかしい」は誤りの指摘と悪口が混じっているといえます。

上記3つのタイプのうち、悪口については無視するといいと思います。なぜなら気にしてもとくにいいことはないからです。仮に相手にしてもとくにいいことはありません。発言、および発言者をミュートないしブロックできるのであればそうしたほうがいいとさえ思います。ブロックは逆恨みされたりする問題もあるのでミュートがいいと個人的には思います。

答えのないものについての反対意見については、基本的に「人による」としか言いようがないので、さらっと流せばいいでしょう。面白い意見であれば会話してみるのもいいかもしれません。誤解をもとに意見されたのならば誤解をただすのもいいかもしれません。ただし悪口と合体している意見の場合は話が通じない可能性が高いので、これも無視するといいと思います。ただ口調が丁寧でも議論が成立しない人もいるので、「なるほどそういう考え方もあるのか」と思って、参考にするもののとくにリアクションを返さないのが無難かもしれません。

最後の誤りの指摘については、本当に誤っているのであれば、のちのちの自分の信用のためにも速やかに訂正するとよいと思います。議論に慣れていない人であればとくに「自分の意見を否定された」「自分を否定された」と思うかもしれませんが、誤っているものはしょうがないので、自分の非を認めるほうがよいでしょう。ただし、とくに悪口と混ざっているような人は直接答えを返すとめんどくさいことがあるので、訂正したことだけを明らかにして、発言者に直接リアクションしないという手もあります。指摘が誤っている場合は、まともな議論ができる信用できそうな相手であれば反論するのも一つの手です。ただし、そうでない人の場合は終わらない地獄のようなレスバトルが続くこともありますので、反応を返さないのがいいと思います。

以下まとめ。

  • おかしい人には近寄らない
  • 考え方によるものについては、どちらが正しいとかは考えず、参考にする
  • 誤りがあればそれを認めて正す

休むことは難しい

休むことがどれだけ難しいか、および、私がそういうときにどう考えてきたかについて書きます。

プログラミングをはじめとしてコンピュータが好きであればあるほど*1、やる気があればあるほど休むことが難しいです。若くて気力体力が有り余っている場合はとくにそうで、朝から晩までプログラミングをしていてもあまり疲れを感じず、かつ、寝て起きたらスッキリです。ところが次第にそうではなくなってくることが多いようです。私が実際にそうでした。私の場合は以下のような流れで休みかたを忘れていきました。

  1. 10代後半でコンピュータに出会ったことによって興味の持てる対象が激増した
  2. コンピュータについての知識を得るために毎日昼夜を問わずに作業していた
  3. 休憩という概念がなく、寝る(気絶する)まで作業して、起きたらまた作業という状態になった。若くて体力があったので死ななかった
  4. 生活のリズムが乱れて疲労が蓄積していった。が、茹で蛙のごとく、本人は気づかない
  5. いつしか疲れているのが当たり前になってきた。どういう状態が元気なのかがわからなくなったし、そもそも休んでいないので休みかたを忘れた。これも本人は気づいていない
  6. 若くなくなって体力がなくなってきたのでつらくなってきた

今の世の中ではSNSなどで否が応でも自分と他人を比較してしまう機会があるので、「自分はまだまだ努力が足りない」「自分が休んでいる間にも他の人は先に進んでしまうのでは」「あの凄い人は一日中何かやってるっぽい」などという考えに陥りがちです。実際若者のtwitterを見ているとそういう考えにとらわれている人をかなり見かけます。これも私に当てはまりました。

無理を重ねれば重ねるほどに心身ともに疲労が溜まってきます。それは能率の悪さ、疲労感、体の凝り、姿勢の悪さ、イライラ、焦燥感、睡眠不足、など、さまざまな形で顕在化してきます。不調が一気に現れる場合はまだいいのですが、この手の症状は軽いものからはじまって次第に重くなっていくので、自分にとっての「好調」のレベルがどんどん下がっていき、身心は悲鳴を上げているので自分ではまだ好調のつもりでいることもあります。加齢に伴って昔大丈夫だったものがそうでなくなることも多々あります。この状態がどんどん進むと、いずれ腰が破壊されて座れなくなったり、メンタルを患ったり、不可逆に身心を破壊することになりかねません。

このようになったときに「休む」という単純な改善方法があるのですが、そう簡単にはいきません。なぜならずっと作業をしていたくて、休んでいる暇などない、と、思っているからです。疲れている、休みたい、でもどうやって休めばいいかわからない、いざ休もうとしても気づいたら作業している、そんなことはないでしょうか。筆者は10年以上そんなかんじでした。こういう辛い状況を抜け出すために筆者がいろいろと取り組んだ結果、役に立ったものを書いておきます。もちろん人によって何がいいかは全然違いますが、上記のような、いかにもバッドエンド一直線のようなルートに自分も乗っているなと思う人は参考にしてください。

第一に考え方を変えました。無理してでも何もしない状態を作って数日間過ごしてみて、自分の体調の変化を見てみます。それで改善するようなら、休んだ後の状態が自分本来の姿で、もともとは劣化していた効率の悪い状態で延々と作業していたことになります。疲れた状態でしっかり休むと、効率のいい状態で作業できる、という意識を体感すると、休むことに段々抵抗がなくなってきました。

第二にインターネットや電子機器から自分を切り離す時間を設けました。デジタルデトックスとか言われたりもするやつですね。ツイ廃のわたしにとってはとくにSNSとの切り離しが効果的だったと思います。かつては一息ついて何も考えずにぼーっとしていたときで画面を見てtwitterをしてたりすることがあったので、それを控えるようにしました。気を付けようと考えて気を付けられるようなものではないので、以下のように強制的に使えなくする仕組みを導入しました。

  • Androidのフォーカスモードのような機能で特定アプリを使えなくする
  • アプリをアンインストールする
  • 特定の端末からしかアクセスできないようにする
  • 寝るときは寝床に端末を持ち込まない

そこまでするなら「やめればいいのでは」と思われるかもしれませんが、情報発信や普段気軽に会えない人と話したりするのにはSNSは非常に便利なツールなので、無理にやめはしませんでした。

第三にストレッチをはじめました。私の場合は昔に比べて明らかに体が硬くなっていたり姿勢が悪くなったりしていたので、とにかく執拗にストレッチをしました。とくに電子機器をさわるときに酷使しがちな首、肩などを重点的にやりました。この効果は目覚ましく、かなりの能率改善を達成できました。今では決まった時間にやるというより、暇なときはまずはストレッチ、というくらい習慣化しています。

第四にリラックスできる趣味を持つようにしました。わたしは昔からコンピュータが大好きで、就職してからも会社ではプログラミング、家に帰っても同じようなことをしたり、別のことをしていると思いきや会社とは別分野について何かしていたりという具合でした。この考え方ですといちおう仕事と趣味を切り離しているといえなくもないのですが、頭脳は酷使し続けるので、疲れも溜まり続ける。この状態を改善するため、数年前からコンピュータとは一切関係のない、かつ、頭が休まる趣味を探して、現状では写真を撮ったりコーヒーを淹れたりという趣味を見つけました。これまでは疲れたら寝るくらいしかやることがなかったのですが、リフレッシュする方法に多様性が生まれたので、とてもよかったと思います。

第五に、身心の作りが違う他人と同じ土俵で勝負しようとするのをやめました。たとえば一日4時間睡眠で平気といったようなショートスリーパー、業務でのプログラミングに疲れたら趣味プログラミングで疲労を回復させるアンデッドモンスターのような人がいるのも否定しませんが、自分ではどうなるかを試してみたところ、残念ながら自分はそうはいかないという認識をしました。その結果、無理なものは無理、自分のハードスペックに合ったことをするのが一番、と思えるようになりました。ここで重要なのは、どういう状態なら自分は元気か、パフォーマンスが出せるか、という感覚を取り戻して初めてこの取り組みが可能になったということです。

上記のことは最初から徹底できたわけではなく、だんだんとできるようになったと記憶しています。何事も一気にすべて解決とはいかないものです。なにかを勉強するときと同様、小さな積み重ねを繰り返していけばいいのだと思います。

*1:別にコンピュータに限りませんが…

2-in-1のChromebookを買った話

LenovoIdeapad DuetというChromebookを買って数週間経ったので感想を書き連ねます。

www.lenovo.com

もともと次のようなことがしたくて適当な端末を探していました。

  • 軽くて持ち運びしやすい
  • 雑誌記事や書籍の原稿など、文書作成がしたい
  • 電子書籍が見たい
  • ssh経由で外のサーバにつないで開発がしたい

この要件で人に聞いたところ、これを教えてもらいました。評判は上々で、かつ安価であることより、購入に踏切りました。昔Chromebookがリリースされてからそう時間が経っていないころに一度買ったことがあり、Webブラウザsshがついていたのは覚えていて、かつ、Androidアプリも使えるらしいと聞いていたので、これなら行けそう、と思いました。

買ってみたら想定していたよりも多くのことができるとわかりました。一番大きなものはベータ版としてLinux環境(distroDebian)が使えることでした。さらにその環境上のGUIを動かせることもわかったため、VSCodeをインストールしてみると、あっさりと動きました。さすがにCPUパワーが足りないので動きはもっさりしていますが、普段使い慣れているエディタで文書作成ができて、かつ、オフラインで開発もできるというだけで非常に嬉しいです。これからどんどん使い込んでいきたいと思います。

ハードウェアキーボードは価格相応で、それほどいいものではありませんが、それほど長い時間でなければ問題なく操作できるかなと思うくらいです。トラックパッドがついているのはいちいちタッチせずに済むので便利だと思います。laptopからタブレットへの切り替えときにはハードウェアキーボード兼フタを本体から取り外す必要があるため、けっこうめんどくさいです。iPadのようにキーボードを外さずにそのままタブレットとして使えるようなものだったら嬉しかったのですが、外さないと重いので、それはできるかもしれませんが、やりたくはないです。ただし、フタは重い反面、laptopモードにしたときは本体部分は安定していて、これなら倒れないだろうと安心できるという利点もあります。

タブレットとしては最低限kindlekoboで本が読めればいいやと考えていました。この最低限の要求には十分このたんまつは応えてくれて、いままでのところ、とくにストレスは感じていません。それに加えてAndroidタブレットとして使いやすければいいなと考えていました。こちらについては、ややもっさりしていると感じますが、我慢すれば使えるなといったところです。もう一点、ソフトウェアキーボードでの入力が不便です。一番の理由はiPadのようにソフトウェアキーボードを分割できないので、両手で画面の両端を持ったまま入力ができません(調べた範囲では。できると知ってる人は教えて下さい)。このため、寝そべってごろごろしながらキーボードで入力というのはめんどくさいです。

総合判断としては、価格性能比はとても高いと思いました。これからどんどん使い込んでいこうと思います。

買ったものに積極的にフィードバックするようにした

これまでは自分が買ったものに問題があってもなんとなくtwitterとかブログに書いて終わりだったんですが、最近は積極的にフィードバックをするようにしました。

その理由は、報告して修正されたらめっけもんだし、OSSのバグはしつこく調べてissue登録/PR投稿するのに、それより遥かに簡単なフィードバックするのはそんなに面倒くさくないなあと気づいたことです。もし直って他の誰かに役立てばそれも良いなというのもありましたが、これはあくまでついでです。

ここ最近で大小5件フィードバックしたと記憶しています。前向きなアクションをして気分がいいので今後も続けていこうかと思います。

コロナ禍の序盤を振り返って素人考えは危険と思った話

はじめに

この文書は自省のための文書です。

コロナ禍が当たり前になってしまったこの世の中、初めてこの件についてニュースになってから現在まで、私の印象に残った出来事を振り返ってみました。なお、ここまでの政府の施策などについては何か正しかったのかなんてのはわからないので評価はしません。

見出しに書いているニュースの元ネタはほとんどは以下NHKのサイトです。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/chronology/

改めて振り返ってみると、とくに序盤戦、いかに自分がデタラメなことを考えていたかがよくわかってゾッとしました。

では始めます。

時系列順のまとめ

1月6日 中国 武漢で原因不明の肺炎 厚労省が注意喚起

ニュースで見たとは思うが「へぇ…」くらいのもの。まったくの他人事で関心なし。

1月30日 WHO「国際的な緊急事態」を宣言+more

引き続き他人事。「中国大変ですね」くらい。

2月3日 乗客の感染が確認されたクルーズ船 横浜港に入港

「あらまあ大変ですね。全部おさまるまで外に出られないとノイローゼになりそうだな。出てきたときに差別的扱いを受けそうだな」という思い。依然他人事。

2月中盤あたり 脳天気な判断をしていた

6月にオランダで開催が予定されていたイベントに登壇する予定だった。日に日に「開催日の2週間以内に○○国に滞在していた人は参加できません」に該当する国が増えてきた。欧州は当時大した被害はなかった。

そのあと日本も対象になりそうか、あるいはなったかという段階で、「イベント開催2週間前に海外に出国すればいいのでは?わたしはぜひ喋りたい」というようなことを会社で話していた。その後の欧州の惨状を考えれば狂気としか思えないことを言っていた。

それ以外にも「インフルエンザのほうがよほど危険」くらいの意識でいた。

イベントは当然ながら結局オンラインになった。

2月27日 安倍首相 全国すべての小中高校に臨時休校要請の考え公表

「これは大変なことになった」とようやく危機感を持ち始めた。とくに息子を保育園に預けるのが困難になって日中の仕事に影響が出て我が事になったのが大きかった。

英国ジョンソン首相 PCR検査陽性

これから世界はどうなるのだろうと底知れぬ不安を覚える。

3月29日 志村けんさん死去 新型コロナウイルスによる肺炎で死去

直接の知り合いではないものの、子供の頃からよく知っている人が亡くなったことより絶句。このあたりから「自分が既に感染していても不思議ではない」と思うようになり、さらに気持ちが引き締まる。

4月7日 7都府県に緊急事態宣言 「人の接触 最低7割極力8割削減を」

ついに来たか、という印象。とくに驚かず。この時点では何が起きても異常とは思わなくなり、正常化バイアスが働いていたのだと思う。この感覚はいままで続く

おわりに

いちいち危機感を持つのが遅かったです。それに加えて何も知らないことについて知ったような顔をして、斜に構えていました。こういうのが要職についていると非常に邪魔なタイプですね。

素人考え危険、とにかく反省、今後に活かします。

ゼロほど怖いものはない

わたしのゼロに対する考え方を書きます。たくさんの人が似たような話をしている手垢のついたネタですが、自分の言葉で一度考えを整理したくて書きました。

世の中にはゼロという言葉が踊り狂っています。私の業界でいうとバグゼロ、工場で言えば事故ゼロなどです。こういうのは「そうあれたらいいな」くらいの理想としてはいいのですけど、必達目標にしてしまうと非常に危険なものに化けます。

なぜかというとゼロにするのが多くの場合非常に難しいからです。たとえばバグの話でいうと、かなり単純化して言うと、「バグゼロ必須!」という人はバグの数を20から10に減らすコストが100万円だとして10から0にするコストも同程度と考えているフシがあります*1

実際には、こちらも単純化するとバグの数を10%減らそうとするごとに100万円かかるので0にするのは至難の業、といったところです。

では事実上無理なことを必ずやれと言われた人はどうするかというと、嘘をつきます。バグが出た事実を完全に握りつぶしたり、バグではない別の言葉で置き換えたり、などなどです。仮にバグが出たとしても上司には実際の理由よりも耳障りの良いもっともらしい理由を述べるでしょう。そうしないと吊るし上げがより苛烈になるからです。

ということを踏まえてわたしはゼロという言葉を振りかざす人も、かなりの長期間それを達成できているという情報を見ても、凄いというよりは、むしろあまり信用できないと判断します。似たような意味で100%をやたら強調するのも同じく危ないと感じます。

*1:そうでなく後述の認識を持つ人が立場的にこういうことを言う場合もありますが

今年の振り返り

はじめに

今年はコロナ禍のおかげで世界的に見れば疑いようもなくひどい年でした。しかしながら、わたし個人について振り返って見るとけっこう頑張ったではないかと思い、まとめてみたのがこのエントリです。半分くらいはただの自慢なのですが、ベテランといわれる年代のソフトウェア技術者は一年でどれくらいのことをするのかという目安の一つとして見てもらってもいいかもしれません。

仕事

会社員として

KubeConで発表

なんといってもKubeCon Europeにproposalが通って発表できたのが大きいです。このイベントは数十人に一人しか採択されない狭き門なのです。

kccnceu20.sched.com

これは「私と共同発表者の松田さんが2人でやったった!」というものではなく、プロジェクトみんなで頑張って作ったCSIドライバが世間の興味をひいたおかげです。KubeConについては先月のKubeCon North Americaでもプロジェクトメンバのproposalが通ったりして非常によい感じです。ぜひ次回も通して三連勝といきたいところです。

kccncna20.sched.com

Rookのメンテナに就任

つづいてCNCFの公式プロジェクトであるRookへの継続的な貢献が認められてメンテナになりました。メンテナとは何か、何をすればなれるのか、なると何が嬉しいのか、なって何をする気なのか、などなどについて興味のあるかたは以下のブログエントリやスライドをごらんください。

blog.cybozu.io

speakerdeck.com

来年もバリバリ貢献していこうと思います。なおRookのメンテナ就任にあたっても、私一人ではなく、プロジェクトメンバ一丸となっての貢献が評価されました。チームプレイ大事。

余談ですが、新卒3年目、いまから10年以上前に立てた人生の大目標が「多くの人に使われている有名どころのOSSのメンテナになる」だったので、それがかなって非常に感慨深いです。ソフトウェア技術者としての次の大目標は何にしようかな。

Japan Rook Meetup

Rookについては去年に続き今年もJapan Rook Meetupを主催者の一人として3回開催して、いずれも好評を得ました。RookやCephを多くの人に知ってもらうと共に、自分の所属プロジェクトや会社がRookにコミットしていること、およびそれができるだけの能力があることをしっかりアピールできたのではないかと思います。このイベントについてはKubernetes用のCephのオーケストレーションという人によってはドはまりするもののクラウド全盛の時代にあんまりユーザがいなさそうなソフトウェアのイベントに毎回100人以上参加してくださるのが不思議でしょうがないですが、とにかく嬉しい限りです。

その他対外発表をいくつかやって、かつ、会社のブログにも少なからない数寄稿しました。この手の活動は短期的にどれが何に効いたというのは言えないのですが、価値のある情報を継続的に発信するのは大事なことだと思っていますので、今後も続けていきます。

個人事業主として

雑誌連載が完結

Software Designで2年半ほど連載していた「Linuxのしくみ」が完結しました。頭の整理にはなるのは非常によかった一方で会社の仕事が忙し過労と毎月締め切りが襲ってくるのはなかなか辛いものでした。いろいろな人から毎月読んでいるよと言ってもらったりと、けっこう人気があったらしいということが執筆を続ける原動力となりました。ありがたいことです。この連載の内容はいずれなんらかの形でみなさまに提供したいなとは思っていますが、まだ確かなことは言えません。

大学で講演

ちょっと毛色が違うところでは、普通の人とはかなり異なった働き方をしていることが注目されて、大学で講演をする機会がありました。この激動の時代に社会に出なければならない学生さん向けにうまく意図が伝わっていればと願うばかりです。この講演については普段頭の中でモヤモヤしていた仕事観を整理できたので非常によい経験となりました。

speakerdeck.com

技術書典

これまで毎回参加していた技術書典は今年は一回だけ参加しました。そのときに書いた本は編集者の風穴さんがエモいタイトルをつけてくれたこともあってこれまでで一番売れました。これは一般の技術書とは異なり、私がこれまでにプログラマとして散々やってきた失敗を他の人にはしてほしくないという思いで書いたエッセイ集です。興味のあるかたはお買い求めください。

techbookfest.org

趣味

自分が得意とするソフトウェア技術の普及活動

youtuberになる

思いつきでyoutubeになってLinuxカーネルやそれに近いところの情報を配信するようになりました。

www.youtube.com

けっこうウケているようで、今確認したところ、登録人数が2900人もいるそうです。すごい。

5/30に開始してから動画はこれまでに23本作りました。今後も増える予定です。ご期待ください。23本…よくやりますね。我ながら呆れます。

github sponsorsでスポンサーを募る

youtubeはもとより、その他のソフトウェア技術に関する記事や書籍を書くときに有志に支援いただくためにgithub sponsorsの仕組みを利用することにしました。

github.com

なぜ私が提供するコンテンツの受益者から直接お金をいただかないかというところに興味のあるかたは以下のエントリをごらんください。

satoru-takeuchi.hatenablog.com

その他

コロナ禍において自分が何をできるか考えたところ残念ながら直接役立つ能力が無かったので、せめて経済を回そうと精一杯散財しました。これについては以下スライドにまとめています。

speakerdeck.com

その他にもコーヒー器具やキャンプ用品をいくつか買ったり、フルサイズカメラを買ったり、レンズを買ったりと、世界平和…もとい自分の欲望を満足させるために色々買いました。何一つ無駄なものはなく、どれも愛用しています。

おわりに

よくやった、自分!