技術書典4に出す本の宣伝
はじめに
明日開催される技術書典4に参加いたします。第二回に初めて参加してから連続して3回目の参加です。
以前はサイボウズのご厚意でサイボウズブースを間借りしていましたが、今回は独立してwindholeブースです*1。場所は「け51」です。
今回は次の5冊を頒布いたします。
上から4冊は同人誌で、いまのところ一般販売はしていません*2。一番下は同人誌ではなく技術評論社から出て書店に並んでいる本ですが、ついでに売ります。本エントリではそれぞれについてコメントを付けて宣伝しておきます。
図解でわかるMeltdown(新刊。紙&電子)
2018年の年明け早々世間を騒がせたMeltdownという脆弱性についての解説書です。この脆弱性は前提知識さえあれば理解は決して難しくありません。しかし必要な前提知識の数が多い、かつそれぞれOSカーネル以下あたりの低レイヤのものが中心なため、一般的なソフトウェア開発者にとってはなかなか敷居が高いのが実情です。
本書はレイヤを問わずあらゆるソフトウェア開発者のためにMeltdownおよびその理解に必要な前提知識をひっくるめて図解しています。「この脆弱性について興味はあったもののなんだか難しそうなので手付かずだった。最短距離で手っ取り早く理解したい!」というかたにおすすめです。
Btrfsの薄い本(既刊。紙&電子)
BtrfsというLinuxのファイルシステムについての解説書です。Linuxのファイルシステムといえばext4やXFSが有名です。Btrfsはこれら2つと同様の使い方もできますが、通常「Linuxのファイルシステム」と言われて普通の人が思いつくものとは大きく異なる豊富な機能を備えています。Btrfsはまた多くのLinuxディストリビューションで実際にサポートされています。
本書はこのファイルシステムが一体どういうものなのかという概要を書くと共に、それを読んでさらに興味が出たかたむけに使い方、トラブルシューティングから歴史までを説明しています。ファイルシステムについて新しい知識を得たいかた、刺激が欲しいかたにお勧めです。きっと「こんなことができるの?」と思うはずです。
カーネルモジュール作成で学ぶLinuxカーネル開発の基礎(既刊。電子のみ)
Linuxカーネルを自分で改変するためには覚えておかなければならない作法があります。これらの作法は一旦わかってしまえば大したことはないのですが、やたらと数が多いので参入障壁が高いです。本書ではそのお作法をカーネルモジュールの作成という方法を通して学びます。まずは単純な機能を追加してから次第に複雑な機能を作り込んでゆくというインクリメンタルな説明方法になっているので、カーネルになじみのないかたにもとっつきやすくなっています。お作法のうちの大して重要ではないところについては自動化して飛ばすツールを紹介しているのもポイントです。
「Linuxカーネルをいじってみたいけど、何をすればいいのかさっぱりわからない」というかたにおすすめです。
Linuxカーネルで学ぶC言語マクロテクニック(既刊。電子のみ)
Linuxカーネルのソースを読むにあたっての大きな障壁のひとつがトリッキーなC言語マクロたちです。本書はこれらのうちの多く使われていて、かつ初見殺しなものを抜粋して解説しています。これからLinuxカーネルソースを見てみたいというかた、およびC言語マクロ黒魔術の世界をのぞいてみたいかたにおすすめです。
Linuxのしくみ
これについては技術評論社のWebサイトにある紹介ページをごらんください。
おわりに
いかがでしたでしょうか。1冊でも興味のあるかたはお手数ですが当日ブースに来ていただければと思います。試読もできるようになっていますのでお気軽にお立ち寄りください。紙の本は数に限りがあるので「絶対に電子版は嫌」というかたは早めにお越しください。
*2:そのうちWebで電子版を売るかもしれません