読書感想文: 進化する銀行システム 24時間365日動かすメインフレームの設計思想

私はメインフレームについての知識がほとんど無かったため、以前からメインフレームに関する本を読みたいと思っていました。メインフレーム実践ハンドブック z/OS(MVS),MSP,VOS3のしくみと使い方という本があることは知っていましたが、分厚くてお固そうなのでなかなか手を出せないまま時が過ぎていました。もっとお手軽なものが無いかと思っていたら、まさにこれだと言わんばかりのタイトルの本書を見つけたため、衝動買いしてしまいました。

本書の主なコンテンツはメインフレームを使った銀行システムの歴史、メインフレームのハードウェア、ソフトウェア面の長所、そして今後の銀行システムの行方についての予想などです。銀行システムの歴史については、私が生まれる前から現在まで、どのような事情によって何ができるようになってきたのかが紹介されており、興味深かったです。他にも、これまで聞いたことがあるだけだった、あるいは初耳だったメインフレーム固有の概念、用語などについて概要ながら理解できたのが良かったです。以前から「メインフレームWIndowsLinuxとは根本的に別物である」という話を折に触れてメインフレーム経験者から聞いていましたが、その意味がよくわかりました。また、メインフレーマ経験者が時折使う謎の用語がメインフレーム用語だったと気づくこともしばしばでした。

基本的には説明が丁寧でわかりやすいのですが、ソフトウェアに関する説明はやや急ぎ足だったという印象がありました。メインフレーム初学者の私にとっては、初見の頭字語が数ページに渡って何十個も怒涛のように説明され続けるのはなかなか辛かったです(私の理解力の問題かもしれませんが…)。

最後に、書評ではないのですが、ぜひメインフレーム畑のかたにこの本を読んでいただいた上で感想を聞きたいなと思いました。

Qiitaのうまい活用方法

Qiitaは"ある特定の情報を求めて検索を起点に該当する記事を探す"という使いかたをすると、しょうもない記事の密林を掻き分けていかなければならないことが多々あります(とくに流行り物)。しかし、視点を変えて、サービス側から(正確にはフォロワーからなのですが)ふいに流れてくる記事を雑誌を読む感覚で堪能するという使い方をするとなかなか有用だということを書きます。

世の中のwebサービスが持つ、知り合いのユーザに関連するものを推薦してくれる機能(ここでは仮におすすめ機能と記載)全般と、Qiitaのそれについて書きます。おすすめ機能とは、例えばtwitterFacebookであれば「この人をフォローしませんか」「この人と友達になりませんか」「この人がこの投稿を面白いと言っています」とかいういうやつです。

おすすめ機能は大抵の場合は見当違いの推薦をしてくるのでほぼ役に立ちません*1。このため、過去にはおすすめ機能自体を毛嫌いしていたのですが、最近Qiitaのおすすめ機能を見て、認識を若干改めました。

Qiitaのおすすめ機能は、フォローしているユーザが良いと思った記事(いいね!したもの)、あるいは気になっている記事(ストックしたもの)をおすすめしてくれます。これが、仕組みは単純なのですが、けっこう強力です。優秀な技術者をフォローすれば、高品質である可能性が高いであろう記事を珠玉混合の記事の中から簡単に抽出できます。

思うに、他のサービスの場合は、コンテンツが技術的なことに限らず日常についてのものなど多岐に渡るのに対して、Qiitaはコンテンツをプログラミングに関するものだけに限定していることによって、おすすめ機能がうまく働いているものと推測しています。

これまでQiitaを使ったことの無いし記事を書く予定も無いというかたであっても、ユーザ登録をした上で、技術的に優れており、かつ、他のユーザの投稿にいいね!をする活動をしている人(むろん直接記事を書いていればなおよし)をフォローしておけば、比較的良い記事にたどり着ける可能性は高いと思います。個人的には、技術的に面白いが、ニッチな故に雑誌などには載りにくいものなど、かなりよい記事に何度も出会えました。

最後に参考までに、以下に、どう見てもガチプロが書いたと思わしき記事をいくつか挙げておきます。

qiita.com

qiita.com

一人トランザクション技術 Advent Calendar 2016 - Qiita

おしまい

*1:その上画面領域のいいところに配置してあるので凄く邪魔で嫌いです

開始

ブログは昔何年も書いてたんですけど、いろいろ便利なサービスを使うようになり、それらで大体事足りてしまうようになったので、しばらくやめていました。例えば次の通り。

  • 技術系のネタ: qiita, slideshare
  • 近しい人への近況報告: facebook
  • 衝動的に思いついたことの吐き出: twitter

やめてしばらく経ってから、上記のサービスには当てはまらない隙間に潜むようなネタをいくつか思いついたので、またブログを再開してみることにしました。